女性の強みを生かす「関係構築型の誠実営業集団」

 社員約140人の7割、管理職では7割以上が女性という株式会社Surpass。女性ならではのきめ細かいヒアリングを重視し、目先の利益を追わず、クライアント企業との関係構築に力を注いだうえで2、3年後の売り上げ最大化を目指すという営業方針が信頼を生み、長い付き合いのお客様が多いといいます。こうしたスタイルを「関係構築型の誠実営業」と笑いながら話す執行役員で研修事業を統括する喜多村あさのさんに、会社の強みや特徴、社員教育などについて伺いました。

今の時代に求められる、時間をかけたヒアリングと丁寧なクロージングを実践

Surpassは、さまざまな業界で営業経験を積みながら、「あったらずっと使いたいサービス」を模索し続けた社長の石原亮子さんが2008年に営業アウトソーシング会社として設立。マーケティング支援やシステム導入支援へとサービスを広げ、女性の強みを生かしたセールスプロセスアウトソーシング(SPO)企業として確固たる地歩を築くまでに成長しました。

 Surpassと他のアウトソーシング会社との違いはどこにあるとお考えでしょうか。

 営業はクロージングがメインになりますが、クロージングに当たって私たちは、クライアント様のニーズや大切にしているこだわりを納得するまでヒアリングして提案するのが肝心だと考えています。最近はサブスク型の商材が増え、売って契約しておしまいという時代ではありません。目標をいかに達成するかは常に考えていなければなりませんが、多少時間がかかっても丁寧にクロージングし、ずっと使い続けていただける方が今の時代に求められています。Surpassはまさにそんな営業を行っています。

 そこに、女性主体の会社ならではの強みを発揮できるということでしょうか。

 弊社のクライアント様は、どちらかと言えば重厚長大型の男性ばかりの会社が多いんです。新卒女性を採用してもなかなか根付かないから女性の比率が上がらないというお悩みを抱えていらっしゃる企業様も多くいます。そういったクライアント様の仕事では、エンドユーザーの方に、「女性の営業さんがいるんだ!」と面白がってもらえるという点はあります。そのほかの女性の会社ならではの強みとしては、1回や2回の訪問でニーズのあるなしを見極めるのではなく、毎月少しずつヒアリングを行ったり、ニーズ喚起を行ったりすることで、短期の売上最大化ではなく2、3年後の売上げ最大化を目指して動いているというところです。一般的な営業会社のようにお給料と成果が連動しているなど、インセンティブが欲しいならもっと営業を頑張ろう!という姿勢の会社では、なかなか実現できない営業スタイルです。コツコツと、できることから努力をするのが弊社の基本姿勢になっており、その結果2、3年続けてみて「Surpassを使って良かった」と実感していただけることが多いですね。

現場で得た生の声をタイムリーに戦略に組み込み、実行まで一貫してサポート

2019年には、営業支援システムや研修・教育プログラム事業を加え、営業の間口を拡大しているSurpassですが、中心となっているのは営業、マーケティングのアウトソーシング事業です。営業アウトソーシングやセールスコンサルティング、SNS運用支援やコンテンツ作成などのサービス提供においては、新規顧客の獲得はもちろん、戦略から実行まで一貫してサポートします。

 得意分野と、顧客の特徴があれば教えてください。

 得意としているのはカスタマーサクセスをはじめとする既存顧客対応、そして休眠顧客の掘り起こしですね。最近はザ・モデル型の営業が増えています。新規から既存まですべて持つよりも、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスチームなど、分業で営業を行うクライアント様が増えているため、新組織構築の手段としてお使いいただくことが多いようです。
年間受注件数は20件前後ですが、そのうち3、4年続くような長期案件は5、6件。すでに10年以上お取引があるようなクライアント様も多いですね。年単位で新規開拓から受注までのリードタイムを考えているような企業様との相性がいいように思います。そうした会社は顧客との関係構築を重視していらっしゃるため、ヒアリングを丁寧に行うという私たちのスタイルが生きると思います。営業進捗ミーティングも毎週開き、具体的な案件でこういう動きが出ていますといったことをきめ細かく報告しています。

「クライアントの看板を汚さない」誠実な仕事ぶりに高い評価

 クライアント様からの反応はいかがですか?

 弊社はラウンダー業務を多く扱っています。テレアポから入り、初回訪問からニーズが出るまで温めて、ニーズが出た段階でクライアント様の営業担当に案件を渡し、また別の案件を温めるといった取り組みを行っています。ある会社からは、「Surpassの仕事はお客様からのクレームが圧倒的に少ない」と言っていただきました。大手顧客にとっては、1件の受注よりもネット掲示板などに書き込まれる1件の悪口の方が大きな損失につながるものですから、「うちの看板を汚さない、不信感を抱かせない営業をしてもらえるのが一番ありがたい」と言われます。

 そうしたスタイルを確立するためのポイントはどこにあるとお考えですか。

 弊社にはBtoC業界出身者が多いんですね。たとえば私は、バッグと靴の専門ブランドや転職支援企業などを経てSurpassに入りました。BtoBを経験した人は、売上目標達成に向けてどれが高額かとか、どれが狙えるかという優先順位を付け、上位を優先するという姿勢が身につく傾向があると思うんです。そうではなく、優先順位では下位に位置づけられるような案件にもしっかり対応し、クライアント企業の営業先優先順位から漏れたお客様をサポートするのが私たちの仕事だと思っています。そういった今すぐの売り上げにつながらないお客様でもしっかりと対応していくことによって、2年後3年後の大型受注をコンペなしで獲得できる。まさに将来の種まきができるのが私たちの強みです。

大きな挫折から生まれたポリシー「仕事とは志事」が成長を導く

拡大を続けているSurpassですが、創業から数年後、大きな挫折を経験しています。会社と個人が目指す方向性にギャップが生まれ、当時いた10人ほどの社員が全員退職するという事態に陥ったのです。石原社長に新卒2人を加えた3人で再スタートを切ったとき、メンバー一人一人が「なぜ働くのか」「どんな自分になってどんな未来をつくるのか」といったテーマに向き合い、「仕事とは志事(志を持って取り組むこと)」という意識を共有しました。それが、現在の社員教育につながり、さらには人材育成のプログラムを提供する事業にまで発展していきました。

 「仕事とは志事」の思いをどのようにして社員に浸透させているのでしょうか。

 再スタート以来、2カ月に1回、社内でワークショップを開催し、現在も「ココロザシラボ」と名前を変えて続いています。そこでは、これからの仕事はただ仕上げる(=仕事)だけでなく、スキルとマインドの両方を伴っていないとだめだという話をし、まずマインドから伝えることを大切にしています。(=志事。志という字はスキル=士と、マインド=心からなる)
また、吉田松陰の考えや教えを収録した『覚悟の磨き方』を課題図書にしています。その中に「チームワークの本質」という項目があるのですが、それは「利益になるかどうか」を考えながら行動するよりも、「まわりにとっての最善はなにか」を考えながら行動しなさい、という教えです。私たちもアウトソーサーとしてその点を重視しています。つまり、「お客様の利益を最大にする」ことは、必ずしも「自分の営業成績を上げる」ことだけではないのです。ですから、営業の世界でありがちなインセンティブや売り上げ連動給与は、弊社では一切設けていません。

成功哲学の書『7つの習慣』と「識学」のドッキングで普遍的な研修プログラムを確立

 それがどのようにして研修事業につながっていったのでしょうか。

 こうした取り組みを続けるうち、クライアント様から「どうしたらそんなモチベーションの高い人材が育つのか」という相談が寄せられるようになりました。そこで「ココロザシラボ」のプログラムの提供を検討しているうちに、個人の主体性や自律性を育てるということを主眼に置いているという点で、成功哲学の書とも呼ばれるスティーブン・コヴィーの『7つの習慣』に要素が似ていると気付いたのです。そこで、すでに研修プログラムとして体系化されている『7つの習慣』を活用することを決めました。そこに、各人が組織内の立ち位置や役割を認識して行動することを目的とする組織マネジメント理論「識学」を組み合わせました。そうすることで、自分の置かれた範囲内で、最大限の結果を残してくれる人材育成ができるようになったと考えています。

お客様をクライアント様のファンにすることには自信あり

「女性と社会の懸け橋になり、すべての人の未来を創造し続ける」をミッションに掲げるSurpass。喜多村さんのお話からは、「女性」を強く意識しながらも、そこにとどまらず、「目先の利益追求」「出る杭は打たれる」といった言葉に象徴される、今の日本社会全体に対するアンチテーゼとのようなものが浮かび上がってきます。

 クライアント企業に意識変革までもたらしているように感じられるのですが、今後どんなクライアント様と仕事がしたいですか?

 エンドユーザーを大切にしている企業様や商材が魅力的な企業様のサービスや“思い”をより多くの人に知っていただくお手伝いがしたいと考えています。すぐに結果につながるわけではないかもしれません。しかし、2、3年後に売り上げの山を持っていきたいと考えている企業様でしたら、ご満足いただける成果を出せる自信はあります。ぜひお声がけをお待ちしています。

ありがとうございました。

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