営業代行サービスにもいくつかの形態がありますが、アポイントメント獲得までのアプローチに特化して着実に顧客を拡大しているのがアイランド・ブレイン(本社・名古屋市、以下IB社)です。獲得したアポイントメントを社内で評価して、クライアントに合わないと判断したら提供しないという厳しい自己評価体制で、成果の質を高めていることに加え、分かりやすい成果報酬型でクライアントの無駄な営業コスト削減につなげていることなども高い評価につながっています。鈴木徹社長は「労力を要する初期アプローチは当社で、商談・受注はお客様でというタッグこそ最も成果につながるでしょう」と話します。

電話営業の研修事業でスタート。顧客の支持を得られず自ら電話営業する形に転換

 IB社は2004年、主に営業担当者向けの研修を行う企業として設立されました。その後、「営業塾」も開講しましたが、2006年、独自に構築したテレマーケティング顧客発掘プログラムと営業塾を統合した新サービス「アプローチ専門の営業代行」へ事業モデルを転換。年々導入企業を増やし、2021年4月には55業種2500社まで拡大、商談提供実績は7万5000件に達しました。顧客数はこの10年で8倍強の急増ぶりです。

 教える立場から自らアポイントを獲得するように変わったそうですね。

 創業者がコンサルティングや研修を行う上で、見込み客をどう獲得するかに力点を置いた電話営業の方法を教えていました。見込み客獲得に苦労していた保険業の営業担当者がお客様の中心でした。ハローページに個人の電話番号が掲載され、それを元に電話営業を行いアポイント獲得することができた時代でしたが、創業者が独自にそのノウハウを確立したのです。次第に、分野を問わず法人向けにも領域を広げて研修をするようになったのですが、それを自分たちで実行するようになったという流れです。

 事業モデルの転換には何かきっかけがあったのですか?

 当時私は25歳くらいでした。創業者は私より年齢は2歳下でしたが、自ら結果を出してノウハウを構築した本人であれば相手も話は聞いていただけます。ところが、私のように社会経験もほぼない担当者に営業研修をやりますと言われても参加する人はいません。提案を行っても「そんな営業をしているようならこっちが教えてあげようか?」と言われることすらもありました。しかし、「では、アポイントを獲得することを私たち自身が行ってご提供するということではどうでしょうか?」と聞いてみると「それであればぜひやってほしい」というお答えも多く、年齢相応に私たち自身が電話営業を実行することが求められている、これはニーズがあるかもしれないと思ったのが始まりです。

企業にとって最大の経営課題、販路開拓に焦点を当ててアプローチに特化

 商談・受注まで広げずアプローチに特化したのも戦略に基づくものでした。経済産業省の調査によると、日本企業の約7割が最も高い経営課題に「販路開拓」を挙げており、悩みや課題の多いこの分野にニーズは多いと判断したのです。

 アプローチに特化するには、現場的にどのような判断があったのでしょうか?

 商談・受注までを代行する形態があることは承知していました。当社も最初はそこまでやることもありましたが、お客様が望む成果は出すことができないと判断しました。多くのお客様が「3カ月で結果を出してほしい」と望まれます。しかし、いかに営業活動のプロだとしても、3カ月という短い期間で大きな成果を挙げることは難しいものです。それよりも、さらに営業活動を分解し、当社はボトルネックになっているアポイント獲得の代行に特化し、商談・受注は専門家であるお客様にお願いすることが、最も成果を出すことができる形であると考えました。

蓄積したコールデータの活用や独自のルールで無駄を省く

 IB社は完全な成果報酬型で業務を請け負っています。しかも、一般的には1件2万円程度というところを1万6500円という安価な価格設定なうえ、費用発生のタイミングを明確にしていることなどで余計な費用を抑えられるため、安心して利用してもらえるというのも大きな強みになっています。

 安さの根拠は? それでもやっていけるのはどこにポイントがあるのでしょうか?

 当社にとってみると安いという感覚はないのですが、本社のある東海地方のお客様が多かったから、ということが1つの要因かもしれません。東海地方で仕事をしている感覚としては、「2万円は高い」と思います。東京の企業様には安いと感じてもらって多くのご利用をいただいています。しかも、初回の商談が終わって初めて費用が発生する仕組みですから、より割安感があるのかもしれません。また、当社には長年の電話営業により1500万回を超えるコールデータの蓄積があり、このコールデータを有効活用することにより無駄なコールを避け、効率よくお客様にご満足いただけるアポイント獲得に繋げることを実現しています。

 電話営業の秘訣ってありますか?

 電話営業の技術的なことを言えば、当社のメンバーよりも電話営業が上手な人は数多くいらっしゃると思います。もちろん平均以上の技術はあるとは考えていますが、秘訣というものはなく、一般的な電話営業技術の延長線であると思います。当社はそこに過去のコールデータの蓄積を掛け合わせてコール効率を高めることにより、お客様に求められる成果を出していくことを目指しています。

質の向上のため、獲得したアポのうち3分の1は社内評価システムでカット

 アポイントメントの質を確保するために工夫されている点を教えてください。

 アポイント1件1件について、社内の当該お客様担当が評価するシステムにしており、このアポイントはお客様に提供することができないと判断すると、お客様に報告せずにアポイントを無くしてしまうということを行います。獲得できるアポイントの3分の1はこの評価システムによってお客様に報告されることなく自主的に無くしてしまいます。もちろんコール者は獲得目標があるので数を増やそうと考えますが、基準に満たないアポイントを獲得してもお客様に提供ができないため、基準を満たすアポイントをどう獲得するか、ということを常に考え努力をすることが必要となります。

コール担当はわずか10人も、論理的思考と無駄の削減で効率は飛躍的にアップ

 こうした認識を共有するため、電話を行うメンバーは全員プロパーの正社員。ところが、社員約20人のうちコール担当は10人しかいません。その人数で数をこなすには、1日に数件の案件を同時並行で進めなければ追い付きませんから大変です。

 採用に当たってはどのような人材を選んでいるのでしょうか?

 お客様の満足を頂くために仕事をするという事業への共感性、人当たりの良さ、そして論理的思考ができること、この3つが平均点以上あることを基準としています。コールを行うメンバーは全員、月に30~40社のお客様を担当しますが、1つ1つの案件を別々のものとして捉えるのではなく、案件の中に共通点を見出し、他の案件に生かすということができないと時間がいくらあっても足りなくなります。そのようなことができるメンバーが高効率なコールシステムを活用することにより、一般的に電話営業に従事することが多いとされるアルバイトや在宅メンバーよりも3倍~4倍の生産性を実現しています。

 どのようなお客様にIB社のやり方は向いていると考えられますか?

 自社の製品・サービスは良いと思いながらどうやって売ったらいいか分からない、アポイント獲得をしている時間がない、電話営業は必要だと思うがやりたくないという企業様には、当社のスキルとノウハウを生かしたご提案ができると思います。また、電話営業が向かない製品やサービスもありますが、当社はもとが営業コンサルティング・営業研修の会社であることから、電話営業以外の最適な手段のご紹介やご提案もすることもできます。ぜひ一度ご相談頂ければと思います。

ありがとうございました。

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