働き方改革に伴い雇用のあり方に大きな変化が生じていますが、そんな中においても、人材派遣業は引き続き重要な役割を担っています。人材サービス会社として2013年に誕生した「GREEN RIBBON(グリーンリボン)」は、人材派遣を中核に、グループとして営業代行や人材コンサルティングにも事業内容を拡大してきました。最大の特徴は、社員の教育に力を注ぎ、充実したシステムで成長を強く後押しし、「若者を応援する“人材輩出会社”」と自社を位置付けるスタンスにあります。取締役の片山裕さんは「キャリアアップを重ねて自分の適性を見つけ、最終的には卒業していってほしい」とまで言います。

社員は総合職の正社員。3ステップの研修で成長を促す

GREEN RIBBONのホームページがユニークです。自社のPRよりむしろ、若者を応援する気持ちがあふれています。たとえば、社是とも言うべき「GREEN RIBBONの想い」には、「厳しい現実を戦うための、あなただけの色をこの会社で身に着けてほしい」「さぁ扉を開けて、一緒に未来を作って行こう!」と叱咤激励する言葉が並んでいるのです。

 社員の位置づけやキャリアアップについての考え方を教えてください。

 弊社では派遣する社員を総合職の正社員として雇用しています。労働者派遣法の改正前までは特定派遣と呼ばれていた形態です。このような形をとる背景には、弊社がキャリアアップ企業をうたっていることがあります。つまり、ビジネスマナーといった基本からスタートし、クライアント様での経験を通して足りないところを補ってもらいます。それらを通じて、自分の適性を見つけてもらい、最終的には取引先に紹介するなどして、うちから卒業してもらう道筋をつけられたらいいと考えています。

 GREEN RIBBONでは、基本カリキュラム⇒営業カリキュラム⇒ハイキャリアへの道へとステップアップしていく仕組みになっています。基本カリキュラムでは、社会人として必須のビジネスマナーやコンプライアンスの習得、販売・営業などの業務経験などを積んでもらい、営業カリキュラムでは、コミュニケーション能力の向上や複数メンバーのマネジメント、クライアントの業務調整などのスキルを身に着けてもらいます。そして、ハイキャリアへの道では、プロジェクトマネージャーなどのハイレベルな業務遂行能力を身に着けることで、自らのキャリアパスにつなげてもらうようになっています。
社員が成長することが、社員自身のためになるのはもちろん、派遣先で頼りにされ存在感を高めることにつながり、ひいては派遣先のためにもなるというポリシーがうかがえます。

「IZM」に垣間見える“親心”。交通費を負担、社宅もあり、スタート時の壁低く

さらに、「GREEN RIBBON IZM(イズム)」にも、成長を促す9つの教えが列挙されています。最初に掲げられているのが「常識(スタンダード)は作るもの」。日頃見たり聞いたりする情報は平均値でしかない。平均値だから満足・安心という発想は間違いで、必要なのは古い習慣や常識に縛られない柔軟な発想で仕事に取り組み、最小限のコストや労力で最大限の効果をどのように出せるかを考え実践すること――と説いています。
他にも、「行動が先」「まずゴールを設定する」「人生にポジティブであること」「自分の時間も相手の時間も大切にできる人」といった項目が並んでいます。応募してくる人の中には、一度は失敗したり自分に自信を持てなかったりする若者も多くいます。そんな彼らに社会人としての新たな拠り所を提供したいという親のような願いが強く伝わってきます。

 ところで、社員の方はどのようにして募集しているのですか?

 小さな会社ですので、普通に採用をかけてもどうしても集まりが悪いため、地方の人に対して「東京で働きたい人集まれ」といった呼びかけを、媒体を通じてやっています。また、スタート時の負担を軽くするため、引っ越し費用を負担し、首都圏では家具付きの社宅を用意しています。最初の研修で、弊社の業務内容などをよく知ってもらったうえで希望する仕事をしてもらうようにしています。
 平均年齢は27歳。入ってくる人は業界の未経験者が多く、前職はアパレル販売や美容師、コンビニ店員、広告代理店の営業、エステティシャンなど実にさまざまです。一方で、役員を含めスタッフは現場経験者ばかりですので、新入社員のフォローもしっかりできると思っています。

全国に拡大する拠点網。販売を中心にコールセンター業務も

現在、横浜の本社を中心に東京、大阪、札幌、仙台に拠点を置き、今後、九州をはじめ全国展開を進めていく方針です。特に、人口がそれほど多くない地方でも対応できる実績があるといいます。

 クライアント様はどんな企業が多いですか?

  家電量販店やケータイショップなどの販売事業がメインですが、コロナの影響で販売需要が減っているのが実情です。このため、メーカーの代理としてスーパーなどを訪問し、クライアント様の新商品の売り込みなどを行うラウンダー業務なども手掛け、昨年からはコールセンター業務も始めました。取引させていただいている会社は50社以上、多い時で80社くらいになります。

クライアント様の要求に可能な限り応えたうえで、ともに働ける職場づくりに期待

人材派遣業で多い悩みが、派遣先と派遣社員の関係です。多様な働き方が選択できるようになった半面、一人一人の雇用契約条件が個別化し、双方が納得できる契約を結ぶエージェント機能が、より強く派遣会社に求められるようになってきました。また、派遣先の雰囲気などの職場環境も、派遣社員がパフォーマンスを発揮するうえで大事な要素です。派遣会社は両者の間に立って、円滑な関係が築けるようにすることも大きな役割です。

 クライアント様にはどんなスタンスで対応されていますか?

  基本的にはオーダーをいただく側ですので、まずは要求にどれだけ応えられるかが必要なのは言うまでもありません。ただ、卑屈になりすぎると無理難題が多くなる業界です。最終的にはクライアント様とうまくやっていけることが大切ですので、対等に主張できるスタンスをクライアント様にはお願いしています。ですから、「どうせ派遣でしょ」と突き放した見方ではなく、派遣社員も同じように扱っていただける企業とお仕事ができれば幸せだなと思いますね。

大手でないがゆえに持つ小回りの良さを生かし、メリットある提案を

 クライアント様に訴えたいこと、メッセージがあれば。

 会社も若くできることが限られるとは思いますが、その中で、大手ではできない柔軟性や小回りの良さを強みにしていきたいと考えています。弊社は地方都市にも足場を持っていますので、ピンポイント採用も可能です。
 取り引きする限りは、うちでしかできないメリットのある提案をしていきたいと思っています。単純な“人出し”ではなく、派遣社員の研修やフォローもきちんと行って、より良くなる方策を実践していきたいという思いでいますので、その点にも期待していただきたいですね。

ありがとうございました。

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